物語の落しどころというものを石黒正数という作家は探し続けていたのだと思う。 悪の組織が滅亡したあとのヒーローはどうすればいい？世界の終わりはどのように訪れれば面白いだろう？もし、唐突に共同生活をすることになった魔法使いの女の子がどんでもなく…

その日、仲間たちの溜まり場となっている友人の家で一人きり僕は横になっていた。時刻は深夜12時を廻ったところ。外は小雨。水をはじく車輪の音が小さな暗闇を包み込む。 うつぶせになり目を閉じて耳をすませる。自分の体の重さ、体温の熱さを感じる。 ふい…

俺は夜中に新青梅街道を自転車で疾走していた。 その日、友人に自分の勘違いを正された。俺の生き方を否定された。完膚なきまでに。同士だと思っていたのは俺だけだった。 自分の感情を捨てきれず、自分の目に写る世界を否定できず、大人になれないまま気が…